2022.9.20
当院に新しく前眼部OCT(CASIA2 Advance)という機器を導入いたしました。
前眼部OCT(CASIA2 Advance)は、非接触で角膜から水晶体後面までを3D立体画像として 撮影できる最新式の検査装置です。
<このような検査に活用しています>
●白内障術前後の検査…眼内レンズ挿入時の乱視矯正や術前の水晶体の傾きや術後のレンズの位置確認に有用
●角膜形状解析…円錐角膜や角膜混濁などの角膜疾患の検査や角膜不正乱視を把握することに有用
●閉塞隅角緑内障・狭隅角検査…隅角開大度や隅角角度や水晶体膨隆度、前房深度の計測などにより閉塞隅角緑内障や狭隅角の治療方針の判断に有用
前眼部OCT(CASIA2 Advance)では、診察の際に顕微鏡にて正面からでは見づらい隅角(ぐうかく)の広さを計測することができます。これにより狭隅角(きょうぐうかく)、閉塞隅角緑内障の診断を明確にすることができ、急性緑内障発作が起こりそうな眼を予測することができます。
【隅角(ぐうかく)とは】
隅角とは、角膜(黒目)と虹彩(茶目)で挟まれた部分のことです。隅角には眼内の水(房水)の出口(繊維柱帯)があり、この房水が流れることで目の組織に栄養を供給していてとても重要な部分です。この房水の作られる量と排出される量が正常にコントロールできていれば、眼圧を正常に保つことができます。
【狭隅角眼(きょうぐうかく)とは】
狭隅角眼とは、隅角が“狭く”なっている状態です。この狭隅角は遠視眼の年配の女性に比較的多くみられます。
(正常な眼圧は10〜20mmhg前後)
【隅角が狭いとどうなるの?】
隅角は、年齢とともにさらに狭くなってきます。隅角のスペースが狭くなると房水が流出できなくなり、眼内の限られた空間の中に水が貯留することになり眼圧が急激に上昇し『急性緑内障発作』と呼ばれる状態に至ります。
発作をおこすと眼圧は50mmHg以上に上昇することもあり、頭痛・眼痛・吐気・視力低下がおこります。眼圧が高い状態が続くと、眼の奥にある視神経が障害され、短時間で高度の視野障害を引き起こし、放置すると失明に至ります。そのため、緊急での治療が必要になります。また、緑内障の中でも隅角が閉塞または狭いタイプを『閉塞隅角緑内障』と呼びます。
【狭隅角眼の方の注意】
①暗い所での作業や読書、うつむき姿勢を控える。
→暗いところでは瞳が大きくなることによってさらに隅角が狭くなり、うつむき姿勢では水晶体が前方に移動することによってさらに隅角が狭くなることで、眼圧が上がる危険性があります。
②胃カメラの検査や全身麻酔を受ける前は、「隅角が狭いので、抗コリン薬を使うと緑内障発作を起こす可能性がある」と担当医に伝える。
③風邪薬や精神科などの薬で「緑内障の方は注意」と書かれている場合は、内服を控える。
【狭隅角の治療】
狭隅角であっても全員が急性緑内障発作に至るわけではありませんが、急性緑内障発作を発症すると緊急での治療が必要であったり、視力の予後が悪いケースがあるため、適切な治療を受けておくことで安心して日常生活を過ごすことができます。
狭隅角の治療には、
①レーザー虹彩切開術
②白内障手術
の2種類があります。
レーザー虹彩切開術とは、虹彩の周辺部にレーザーを用いて穴をあける方法です。レーザーにより開けた穴を通して房水の流れる経路が増えるため、狭隅角の状態が改善されます。しかし、この治療だけでは完全には急性緑内障発作を予防できるわけではないため、白内障手術が必要となる場合があります。白内障手術を行うと、分厚い水晶体を取り除いた代わりに、薄い眼内レンズを挿入します。眼内レンズは水晶体に比べると非常に厚みが薄いために、虹彩の前後の空間が広がることとなり、隅角が広がります。
2022.9.20
当院に新しく前眼部OCT(CASIA2 Advance)という機器を導入いたしました。
前眼部OCT(CASIA2 Advance)は、非接触で角膜から水晶体後面までを3D立体画像として 撮影できる最新式の検査装置です。
<このような検査に活用しています>
●白内障術前後の検査…眼内レンズ挿入時の乱視矯正や術前の水晶体の傾きや術後のレンズの位置確認に有用
●角膜形状解析…円錐角膜や角膜混濁などの角膜疾患の検査や角膜不正乱視を把握することに有用
●閉塞隅角緑内障・狭隅角検査…隅角開大度や隅角角度や水晶体膨隆度、前房深度の計測などにより閉塞隅角緑内障や狭隅角の治療方針の判断に有用
前眼部OCT(CASIA2 Advance)では、診察の際に顕微鏡にて正面からでは見づらい隅角(ぐうかく)の広さを計測することができます。これにより狭隅角(きょうぐうかく)、閉塞隅角緑内障の診断を明確にすることができ、急性緑内障発作が起こりそうな眼を予測することができます。
【隅角(ぐうかく)とは】
隅角とは、角膜(黒目)と虹彩(茶目)で挟まれた部分のことです。隅角には眼内の水(房水)の出口(繊維柱帯)があり、この房水が流れることで目の組織に栄養を供給していてとても重要な部分です。この房水の作られる量と排出される量が正常にコントロールできていれば、眼圧を正常に保つことができます。
【狭隅角眼(きょうぐうかく)とは】
狭隅角眼とは、隅角が“狭く”なっている状態です。この狭隅角は遠視眼の年配の女性に比較的多くみられます。
(正常な眼圧は10〜20mmhg前後)
【隅角が狭いとどうなるの?】
隅角は、年齢とともにさらに狭くなってきます。隅角のスペースが狭くなると房水が流出できなくなり、眼内の限られた空間の中に水が貯留することになり眼圧が急激に上昇し『急性緑内障発作』と呼ばれる状態に至ります。
発作をおこすと眼圧は50mmHg以上に上昇することもあり、頭痛・眼痛・吐気・視力低下がおこります。眼圧が高い状態が続くと、眼の奥にある視神経が障害され、短時間で高度の視野障害を引き起こし、放置すると失明に至ります。そのため、緊急での治療が必要になります。また、緑内障の中でも隅角が閉塞または狭いタイプを『閉塞隅角緑内障』と呼びます。
【狭隅角眼の方の注意】
①暗い所での作業や読書、うつむき姿勢を控える。
→暗いところでは瞳が大きくなることによってさらに隅角が狭くなり、うつむき姿勢では水晶体が前方に移動することによってさらに隅角が狭くなることで、眼圧が上がる危険性があります。
②胃カメラの検査や全身麻酔を受ける前は、「隅角が狭いので、抗コリン薬を使うと緑内障発作を起こす可能性がある」と担当医に伝える。
③風邪薬や精神科などの薬で「緑内障の方は注意」と書かれている場合は、内服を控える。
【狭隅角の治療】
狭隅角であっても全員が急性緑内障発作に至るわけではありませんが、急性緑内障発作を発症すると緊急での治療が必要であったり、視力の予後が悪いケースがあるため、適切な治療を受けておくことで安心して日常生活を過ごすことができます。
狭隅角の治療には、
①レーザー虹彩切開術
②白内障手術
の2種類があります。
レーザー虹彩切開術とは、虹彩の周辺部にレーザーを用いて穴をあける方法です。レーザーにより開けた穴を通して房水の流れる経路が増えるため、狭隅角の状態が改善されます。しかし、この治療だけでは完全には急性緑内障発作を予防できるわけではないため、白内障手術が必要となる場合があります。白内障手術を行うと、分厚い水晶体を取り除いた代わりに、薄い眼内レンズを挿入します。眼内レンズは水晶体に比べると非常に厚みが薄いために、虹彩の前後の空間が広がることとなり、隅角が広がります。