

体験して、聞いて、つながる「ロービジョンフォーラム」in 新山口2025
昨年12月21日、新山口のKDDI維新ホールにて、今年も「ロービジョンフォーラム in 新山口 2025」 が開催されました。
福村眼科からは院長をはじめ、視能訓練士・看護師・事務スタッフ合わせて8名が、サポーターとして参加させていただきました。
昨年と同じ会場であるKDDI維新ホールは、新山口駅から徒歩圏内と交通の便も良く、とても利用しやすい会場です。今年も10時の開場と同時に長い列ができ、15時の終了までに203名が来場され、昨年を上回る盛況ぶりでした。
見えにくい方のための福祉機器展には13社の企業が出展し、そのほかスマートフォンや就労、日常生活でのお困りごと相談、障害年金相談、障がい者スポーツ紹介、盲導犬体験なども含めると、合計20団体が参加しました。
会場では、多くの方が福祉機器を実際に手に取り、体験しながら熱心に相談されていました。
ロービジョンフォーラムのすべてをご紹介することはできませんが、ここでは一部をレポートさせていただきます。
こちらは障がい者スポーツの紹介ブースです。
あやらぎeyeサポートが展示していたタンデム自転車(2人乗り)には、終始多くの当事者の方が集まり、実際に触れてみたり、障がい者スポーツについて話を聞いたりする姿が見られました。
また、下関南総合支援学校や福岡視力障害センターによる就労相談、社会保険労務法人の方による障害年金相談も行われました。
「誰に相談したらいいのか分からなかった」という内容を気軽に聞ける場として、非常に人気の高いコーナーです。
隣の会場では、出入り自由の「かんたん体操」も行われていました。
見えにくい方に限らず、日常生活で凝り固まった体を無理なくほぐす体操を教えていただき、短時間でも体がすっきりする内容でした。
この日は外も寒く体が縮こまりがちでしたが、皆さん笑顔で体を動かし、私自身もとても気持ちよく参加させていただきました。
講演会は2講演とも、会場に入りきれないほどの参加者で、皆さん熱心に耳を傾けておられました。
一つ目の講演は、
「全盲の私が星空の解説に携わらせていただいて」
十数年前に病気で視力をほとんど失い、現在はわずかな明るさが分かる程度という木下真由さんが登壇されました。
かつては看護師として働いていましたが、縁あって現在は加賀市山中児童センターでプラネタリウム解説員として活躍されています。
見えにくい方の中には、星空を自分の目で見た経験がない方もいらっしゃいます。木下さんは、言葉を工夫することで、その人だけの「星空」を思い描いてもらえるよう、解説を続けてこられました。
木下さんの言葉を聞きながら、「こいぬ座」を想像しています。
実際に触れて感じることができる星座も展示されており、当院の視能訓練士・福田さんも作成に挑戦しました。
二つ目の講演は、
「見えないからこそできることがある!その原動力は〇〇」
市岡智浩さんは19歳で緑内障を発症し、視野狭窄が進行、現在はほぼ全盲の状態です。
しかし「見えなくなったからこそできることがある」という信念のもと、パラスポーツや就労、社会活動に積極的に取り組んでこられました。
2021年から伴走者と陸上競技に本格的に取り組み、2023年ジャパンパラ陸上競技大会・全盲クラス100mで優勝。
また、「チャレンジドRUNいわくに」の代表として、教育機関での講演活動やパラスポーツ体験会を通じ、障害理解の促進やパラスポーツの普及に尽力されています。
当事者のリアルな体験談に、「励みになった」「参考になった」という声が多く聞かれ、皆さん真剣に聴講されていました。
そして今回のロービジョンフォーラムでは、初の試みとして「ガイドメイクセミナー」 が開催されました。
【ガイドメイクとは】
化粧品事業を手がける資生堂が開発した、視覚に障がいのある方でも自身で実践できる化粧法です。手指を顔に当てて「ガイドライン」とし、スキンケアからポイントメイクまで行います。
(資生堂公式サイトより引用)
資生堂ジャパン株式会社の方を講師に迎え、午前・午後の予約制で、各回2時間かけて行われました。
私は午後の部を見学しましたが、参加者6名に対し講師が2名ずつ付き、丁寧にサポートされていました。
最初は顔の部位確認から始まり、目頭・目尻・小鼻・口角などを、言葉と手指で細かく確認していきます。すぐに化粧品を使うのではなく、まず手指を動かす練習を行い、コツをつかんでから実践するため、終始和やかな雰囲気でした。
使用する化粧品は、国内で販売されている資生堂の商品で、視覚に障がいのある方が使いやすいものが選ばれていました。
スキンケアでは、クレンジングシートの後、化粧水・乳液・マスクの機能が一体となったオールインワンを使用。使用量はスケールで確認し、手に取ってから顔全体へ。「肌がモチモチする」と、次第に笑顔が増えていき、皆さん肌のトーンも明るくなっていました。
メイク工程は、
ベースメイク → ファンデーション → アイシャドウ → チーク → 眉 → 口紅 の順です。
アイシャドウはクリームタイプ、眉はパウダータイプで、どちらもペンシル型。見えにくい方でも使いやすいメイク用品です。
「鉛筆を持つように」という説明がとても分かりやすく感じました。
眉を書く時に、はみ出さないように非利き手で眉の上をガイドしながら行います。
「下がりすぎ?」「はみ出しそう」と戸惑いながらも笑顔が見られます。
口紅を塗る時も、同じように指ではみ出さないようにガイドします。口角、輪郭にガイドをして、口角から中央に滑らせるなど、手の動かし方も教えてくださいました。
アイシャドウやチークの色を選んでもらう際は、ベージュは自然な色味、ブラウンは落ち着いた印象、ピンクは可愛く、パープルは華やかと言った想像しやすい伝え方をしていました。
皆さんせっかくなので、と楽しそうにピンクを選ぶ方が多かったです。
ガイドメイクには、「視覚機能」「加齢対策」「社会参加」という3つの想いが込められています。
講座で化粧法の“コツ”をつかんでいただき、日々の生活に取り入れることで、化粧に慣れ、上達に繋がります。
「ガイドメイク」では、資生堂の長年にわたる視覚障がいのある方への化粧についての調査や研究をもとに、以下の3点を「ガイド(案内)」します。
◆視覚機能に応じたメイク法をガイド:眉や唇のかたちに沿って、自身の手指を「ガイドライン」にして、化粧がはみださないように描けるようにします。
◆加齢に対するスキンケアをガイド:触覚を意識し、年齢によって変化する肌のお手入れ法をガイドします。
◆社会参加へガイド:メイクによって、さらに自信を持って外出したい、あるいは人に会いたいと思うことを通じて、人や社会とのつながりへとガイドします。
(資生堂公式サイトより引用)
最後に参加された皆さんより感想をいただきました。
「丁寧に教えてもらいありがたい経験をさせていただいて、最高に幸せに思う」
「指でガイドをするとはみ出さないと、新発見があった」
「好きなアーティストのイベントに化粧して行きたい」
「若い頃から視力がなく、眉を書いたりアイシャドウはしたことがなくて不安だったが少し自信が湧いたし、楽しく勉強できた」
「今までこういう機会がなく、知らない人がほとんど。勉強する機会があることを皆に知って欲しい」
「いつまでも綺麗でいたい」
書ききれないほどの嬉しくなる感想でしたし、本当に皆さん綺麗に化粧されていて、終始幸せそうに笑っていました。
ロービジョンフォーラムは毎年県内で開催され、年々内容も充実しています。一人でも多くの方が、より生活しやすくなるよう、これからも役立つ情報を発信していきたいと思います。
体験して、聞いて、つながる「ロービジョンフォーラム」in 新山口2025
昨年12月21日、新山口のKDDI維新ホールにて、今年も「ロービジョンフォーラム in 新山口 2025」 が開催されました。
福村眼科からは院長をはじめ、視能訓練士・看護師・事務スタッフ合わせて8名が、サポーターとして参加させていただきました。
昨年と同じ会場であるKDDI維新ホールは、新山口駅から徒歩圏内と交通の便も良く、とても利用しやすい会場です。今年も10時の開場と同時に長い列ができ、15時の終了までに203名が来場され、昨年を上回る盛況ぶりでした。
見えにくい方のための福祉機器展には13社の企業が出展し、そのほかスマートフォンや就労、日常生活でのお困りごと相談、障害年金相談、障がい者スポーツ紹介、盲導犬体験なども含めると、合計20団体が参加しました。
会場では、多くの方が福祉機器を実際に手に取り、体験しながら熱心に相談されていました。
ロービジョンフォーラムのすべてをご紹介することはできませんが、ここでは一部をレポートさせていただきます。
こちらは障がい者スポーツの紹介ブースです。
あやらぎeyeサポートが展示していたタンデム自転車(2人乗り)には、終始多くの当事者の方が集まり、実際に触れてみたり、障がい者スポーツについて話を聞いたりする姿が見られました。
また、下関南総合支援学校や福岡視力障害センターによる就労相談、社会保険労務法人の方による障害年金相談も行われました。
「誰に相談したらいいのか分からなかった」という内容を気軽に聞ける場として、非常に人気の高いコーナーです。
隣の会場では、出入り自由の「かんたん体操」も行われていました。
見えにくい方に限らず、日常生活で凝り固まった体を無理なくほぐす体操を教えていただき、短時間でも体がすっきりする内容でした。
この日は外も寒く体が縮こまりがちでしたが、皆さん笑顔で体を動かし、私自身もとても気持ちよく参加させていただきました。
講演会は2講演とも、会場に入りきれないほどの参加者で、皆さん熱心に耳を傾けておられました。
一つ目の講演は、
「全盲の私が星空の解説に携わらせていただいて」
十数年前に病気で視力をほとんど失い、現在はわずかな明るさが分かる程度という木下真由さんが登壇されました。
かつては看護師として働いていましたが、縁あって現在は加賀市山中児童センターでプラネタリウム解説員として活躍されています。
見えにくい方の中には、星空を自分の目で見た経験がない方もいらっしゃいます。木下さんは、言葉を工夫することで、その人だけの「星空」を思い描いてもらえるよう、解説を続けてこられました。
木下さんの言葉を聞きながら、「こいぬ座」を想像しています。
実際に触れて感じることができる星座も展示されており、当院の視能訓練士・福田さんも作成に挑戦しました。
二つ目の講演は、
「見えないからこそできることがある!その原動力は〇〇」
市岡智浩さんは19歳で緑内障を発症し、視野狭窄が進行、現在はほぼ全盲の状態です。
しかし「見えなくなったからこそできることがある」という信念のもと、パラスポーツや就労、社会活動に積極的に取り組んでこられました。
2021年から伴走者と陸上競技に本格的に取り組み、2023年ジャパンパラ陸上競技大会・全盲クラス100mで優勝。
また、「チャレンジドRUNいわくに」の代表として、教育機関での講演活動やパラスポーツ体験会を通じ、障害理解の促進やパラスポーツの普及に尽力されています。
当事者のリアルな体験談に、「励みになった」「参考になった」という声が多く聞かれ、皆さん真剣に聴講されていました。
そして今回のロービジョンフォーラムでは、初の試みとして「ガイドメイクセミナー」 が開催されました。
【ガイドメイクとは】
化粧品事業を手がける資生堂が開発した、視覚に障がいのある方でも自身で実践できる化粧法です。手指を顔に当てて「ガイドライン」とし、スキンケアからポイントメイクまで行います。
(資生堂公式サイトより引用)
資生堂ジャパン株式会社の方を講師に迎え、午前・午後の予約制で、各回2時間かけて行われました。
私は午後の部を見学しましたが、参加者6名に対し講師が2名ずつ付き、丁寧にサポートされていました。
最初は顔の部位確認から始まり、目頭・目尻・小鼻・口角などを、言葉と手指で細かく確認していきます。すぐに化粧品を使うのではなく、まず手指を動かす練習を行い、コツをつかんでから実践するため、終始和やかな雰囲気でした。
使用する化粧品は、国内で販売されている資生堂の商品で、視覚に障がいのある方が使いやすいものが選ばれていました。
スキンケアでは、クレンジングシートの後、化粧水・乳液・マスクの機能が一体となったオールインワンを使用。使用量はスケールで確認し、手に取ってから顔全体へ。「肌がモチモチする」と、次第に笑顔が増えていき、皆さん肌のトーンも明るくなっていました。
メイク工程は、
ベースメイク → ファンデーション → アイシャドウ → チーク → 眉 → 口紅 の順です。
アイシャドウはクリームタイプ、眉はパウダータイプで、どちらもペンシル型。見えにくい方でも使いやすいメイク用品です。
「鉛筆を持つように」という説明がとても分かりやすく感じました。
眉を書く時に、はみ出さないように非利き手で眉の上をガイドしながら行います。
「下がりすぎ?」「はみ出しそう」と戸惑いながらも笑顔が見られます。
口紅を塗る時も、同じように指ではみ出さないようにガイドします。口角、輪郭にガイドをして、口角から中央に滑らせるなど、手の動かし方も教えてくださいました。
アイシャドウやチークの色を選んでもらう際は、ベージュは自然な色味、ブラウンは落ち着いた印象、ピンクは可愛く、パープルは華やかと言った想像しやすい伝え方をしていました。
皆さんせっかくなので、と楽しそうにピンクを選ぶ方が多かったです。
ガイドメイクには、「視覚機能」「加齢対策」「社会参加」という3つの想いが込められています。
講座で化粧法の“コツ”をつかんでいただき、日々の生活に取り入れることで、化粧に慣れ、上達に繋がります。
「ガイドメイク」では、資生堂の長年にわたる視覚障がいのある方への化粧についての調査や研究をもとに、以下の3点を「ガイド(案内)」します。
◆視覚機能に応じたメイク法をガイド:眉や唇のかたちに沿って、自身の手指を「ガイドライン」にして、化粧がはみださないように描けるようにします。
◆加齢に対するスキンケアをガイド:触覚を意識し、年齢によって変化する肌のお手入れ法をガイドします。
◆社会参加へガイド:メイクによって、さらに自信を持って外出したい、あるいは人に会いたいと思うことを通じて、人や社会とのつながりへとガイドします。
(資生堂公式サイトより引用)
最後に参加された皆さんより感想をいただきました。
「丁寧に教えてもらいありがたい経験をさせていただいて、最高に幸せに思う」
「指でガイドをするとはみ出さないと、新発見があった」
「好きなアーティストのイベントに化粧して行きたい」
「若い頃から視力がなく、眉を書いたりアイシャドウはしたことがなくて不安だったが少し自信が湧いたし、楽しく勉強できた」
「今までこういう機会がなく、知らない人がほとんど。勉強する機会があることを皆に知って欲しい」
「いつまでも綺麗でいたい」
書ききれないほどの嬉しくなる感想でしたし、本当に皆さん綺麗に化粧されていて、終始幸せそうに笑っていました。
ロービジョンフォーラムは毎年県内で開催され、年々内容も充実しています。一人でも多くの方が、より生活しやすくなるよう、これからも役立つ情報を発信していきたいと思います。